美しい海と豊かな海洋生物で有名なメラニアのビーチで、ある議論が勃発しています。
きっかけは地元新聞が掲載した1枚の美しい人魚の写真。1000年に1人の人魚と話題になったメリディ・シンガローレさんの写真は話題となり、魔道ネットでも拡散され多くのファンを獲得しました。
一方、この写真に触発され、女性団体「ラミダの声」が人魚の姿が性的であるとして抗議活動を展開しています。
背景
人魚は、上半身が人間、下半身が魚という形態で、通常はビキニや貝殻で上半身を隠す程度の服装しかしていません。このような姿が性的な目で見られる可能性があるとして、女性団体は改善を求めています。
女性団体の要求
「ラミダの声」の代表、シリーナ・フィンウェーブ氏は次のように語ります。
「人魚の姿は美しいとはいえ、現在の服装は過度に性的です。我々は、人魚も衣服を着用すべきだと主張しています」
地元住人の反応
抗議の声に対し、多くの地元住人は「文化を尊重すべきだ」と反対しています。
漁師であり、長年このビーチで生活しているダリオ・ウェーブランド氏は、次のようにコメントしています。
「人魚はここメラニアのビーチの一部ですよ。それぞれの文化にはそれぞれの美学があります。外から来た人々によって、それが変えられるべきではありません。ましてや人魚に対し、人間のルールを押し付けるなんてもってのほかだ」
当人たち、すなわち人魚たちの意見
この問題に対し、当の人魚たちはどう考えているのでしょうか。
話題の火付け役となった人魚歌手、メリディ・シンガローレ氏は次のように述べています。
「人間の基準は私達にはわかりませんが、お互いの文化を尊重したいと考えています。ただ、濡れた服を着た姿を見た人間がより性的に興奮することもあり、性的か否かの線引きが私達には難しい」とのことでした。
「私たちは歌や音楽で人々に喜びを提供したいだけです。服装なんてどうでもいいんです。重要なのは、心で感じること。」
争いの声が大きくなり、人々の心に歌が届かなくなることを心配しているとのことでした。
女性団体の声明
こういった人魚たちの声に対し、ラミダの声のメンバーは
「文化の違いを盾に、子供に見せられない性的な存在が許されていることは許容できない。一刻も早く是正されるべきだ」との声明を出しています。
人魚の写真集、売上が3倍に
この問題が生じて以降、地元紙が発行している人魚の写真集は売上が3倍になったとの報告がありました。良くも悪くも注目が集まった結果だと担当者は話しています。
人魚写真家のメッサー・トルマリン氏いわく、
「今までは貝や水着を着るのみだった人魚の衣服ですが、この問題の影響で様々な服を着るようになった結果、新しい表現が次々に生まれています。正直クリエイティブな発想が止まりません」
常夏の街メラニアで、燃え上がる人魚の姿問題。しばらくは収まる気配がなさそうだ。