勇者の活動を支援するために「勇者税」が導入され約50年。近年平和になりつつあるヴァルツタウンでは、この税制に対し見直しをすべきとの声が上がっています。
果たして勇者税は適切なのでしょうか。我々は今年度の勇者の実績、冒険者ギルドとのコスト比較、そして一部の業界との疑惑の癒着問題を検証します。
今年度の勇者の実績
勇者たちは、今年度も様々なクエストをこなしてきました。大型の魔物の討伐や、迷宮の探索など、多岐にわたる活動を展開しています。特に、東の村で発生した魔物の大量発生問題は、勇者パーティの一員、「荷物持ち」ロビンとシーフのシャロンの活躍によって迅速に解決されました。
しかし、ヴァルツタウン勇者課より報告されている資料によれば、
魔物発生や迷宮の探索などの戦闘を伴うクエストについては16件にとどまり、「困難住民の悩み解決事業」が292件と多数を占めています。
「困難住民の悩み解決事業」は住民から寄せられた悩みを解決する、いわゆる「サブクエスト」に分類されますが、その特性上プライベートな悩みが多く、個人情報保護の観点から詳細の開示がされていません。
■公開されている内訳
魔物の発生:12件
迷宮探索:4件
困難住民の悩み解決事業:292件
他:24件
勇者税の税収と冒険者ギルドのコスト
今年度の「勇者税」の税収は、前年度に比べて10%増となりました。しかし、直近は魔王軍の侵攻などが少なくなっており、勇者が出動する仕事は減少しています。勇者以外の冒険者でも対処が出来る場面も増加しており、「果たして勇者にのみ特別な税制を設ける必要があるのか」との声も聞かれるようになりました。
一例をあげると、
ゴブリン退治を依頼する場合、一般的なギルドに依頼する場合は3,000ゴールドが必要となりますが、勇者パーティに依頼する場合は5,000ゴールド※が必要となります。
※内1,000ゴールドは勇者税から支払われるため、住民負担は4,000ゴールド
グランエルデ通信の独自検証では、本年度の勇者の実績と同じクエスト冒険者ギルドに委託した場合、45%ものコスト削減が可能であることが分かりました。この事実は、税収の適切な使用や、勇者たちの活動の効率性に疑問を投げかけています。
勇者と一部業界との癒着疑惑
また近年、勇者たちが利用する一部の宿屋やアイテム屋との間で、相場より高い値段での取引が行われているとの疑惑が浮上しています。これにより、勇者たちが不必要に高価なアイテムや宿泊を選択している可能性の他、一部業者への利益誘導ではないかとの声が市民より上がっています。
勇者の活動の偏りと税の公平性問題
勇者たちの活動には一定の偏りが見られるとの声もあります。特定の地域や問題だけを重点的に取り組んでおり、全ての地域の住民から徴収される「勇者税」の公平性に疑問が投げかけられています。
これに対し勇者レオンは
これらの指摘に対し、勇者レオンは次のようにコメントしました。「私たちは常に平和のために全力を尽くしています。税の問題や癒着の疑惑については、透明性を持って説明し、国民の皆様の信頼を取り戻したいと思っています。」
一部住民から疑惑追及の動きも
一部の住民からはこの問題に対し、ヴァルツタウン役場へ情報公開の要求と監査請求を行う動きも出ており、今後に注目が集まっています。
1 thought on “検証「勇者税」は果たして適切か。不透明な内訳について追及の動き”
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